世界が驚いたChatGPT搭載車！車載の仕組みとメーカー事例を徹底解説

WEELメディア事業部AIライターの2scです。

みなさん！実はすでに、ChatGPT機能を備えた車が登場しているのはご存知ですか？

例えば4ヶ国の自動車メーカーからなる世界規模のグループ企業「ステランティス」は、車載インフォテインメントシステムとChatGPTの統合に積極的です。傘下のDSオートモビルからは、ChatGPT対応の車を日本で初めてリリースしています。

当記事では、そんな「自動車×ChatGPT」の実態を徹底解説。ChatGPTの車載化でできることはもちろんのこと、その仕組みや市販車での事例までご紹介します。

完読いただくと、自動車の未来が見えてくる……かも！車好きの方はぜひぜひ、最後までお読みください。

自動車でも進むChatGPT導入

2022年末の登場から話題を集め続ける生成AIチャット「ChatGPT」は、自動車分野でも活用が進んでいます。ChatGPTの特徴としては……

• 自然言語での質疑応答が可能
• 会話にない知識にも対応可（RAG）
• 音声でのやりとりにも対応（Text-to-Speech & Whisper）
• 動作はクラウド上で完結（ChatGPT API）
• 会話内容の記憶も可

以上が挙げられるのですが、これらは車載インフォテインメントシステムとの相性が抜群。ChatGPTを導入した車では、音声による命令ひとつでカーナビ操作から調べ物までが済むようになるんです！

なお、車載化の基礎となる技術について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

自動車×ChatGPTの仕組み

自動車にChatGPTを導入する際は、すでに車載化されているハードウェアがそのまま流用可。近年の車は……

• プロセッサ
• 車載通信機
• タッチパネル
• マイク
• カメラ
• GPS

といった機材を完備しているため、特別な工事なしで「ChatGPT機能搭載の車」に早変わりします。

一方、ソフトウェアについてはアップデートが必要になります。このChatGPT車載化に欠かせないソフトウェアは……

以上のとおりシンプル。下記の事例のように、DIYでの車載化も可能だったりします。

次項からは、そんなChatGPTを備えた車にできることを詳しくみていきましょう！

自動車×ChatGPTでできること7選

ここからはChatGPTを導入した車載インフォテインメントシステムでできることを7つピックアップ。まずは基本のカーナビ操作から、詳しくみていきましょう！

音声での高度なカーナビ操作

ChatGPTは「Aした後にBしてCする」というような複雑な処理にも対応（Function Calling）しています。したがって、多機能化が進むカーナビの自動操作も可能。具体的には……

• 目的地の指定
• オーディオ再生
• 車載カメラとの連携
• 冷暖房の操作

といったことが、音声ひとつで完結します。

ドライブ中のエンターテイメント

ChatGPTがあれば、家族連れのドライブで渋滞に巻き込まれても退屈知らずです。命令を入れるだけで、子供向けの物語やクイズをChatGPTが用意してくれます。

さらにブラウジングとの合わせ技で、YouTube動画やニュースの要約も可能。渋滞中でも、有意義な時間が過ごせるでしょう。

観光ガイド

ChatGPTはGPSとの連携で、リアルタイムの位置情報が把握できます。加えて現在地の座標・住所をブラウザ検索することで、その土地の観光名所 / 特産品 / 文化…etc.の情報が取得可能。これらをあわせることで、車載の観光ガイドが実現します。

買い出し帰りのレシピ考案

ChatGPT機能を備えた車なら、買い出しから帰る途中の時間も有効活用できます。「購入した食材が使える料理を考えて」とChatGPTに投げかけることで、今夜の献立が即決！その後の調理法についても、ブラウジング&要約で予習ができちゃいます。

出先でのメール確認・生成

ChatGPT付きの車は、多忙なビジネスパーソンにもうってつけ。信号待ちや渋滞等、手が塞がったまま待たないといけない状況でも、ChatGPT＋読み上げ機能なら……

• 受信メールの確認
• 返信メールの生成・校正

といったことが可能になります。

旅行プランの生成・変更

ドライブや旅行の道中「立ち寄る予定のお店が閉まっていた」などなど、プラン変更が必要になる状況は多いはずです。そんな時もChatGPTがあれば、近くのお店を検索して新しい旅行プランを生成する、なんてことができちゃいます。

その他車載機能との連携

ハイエンドな車の場合、車載インフォテインメントシステムとChatGPTの組み合わせで自動化できることはまだまだあります。一例を挙げると……

• シートのマッサージ機能
• シートヒーター / ベンチレーター
• リアエンターテインメントシステム（後部座席のモニター）

以上のとおりになります。

レベル4（ドライバーなし）の自動運転が実現した暁には、ChatGPTとの組み合わせで全自動のショーファーカーが登場する……かもしれません！

なお、生成AI時代の働き方について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

ChatGPTを車載化した自動車メーカー5選

ここからは、すでに車載インフォテインメントシステムでChatGPT機能を提供している自動車メーカー5社を紹介。まずは、日本国内で初めてChatGPT機能をリリースする運びとなった「DSオートモビル」から、詳細を追っていきましょう！

DSオートモビル

ステランティスの傘下でフランスの高級車メーカー「DSオートモビル」は、販売中の全モデルにて「CHATGPT integrated in DS IRIS」を提供中です。（※1、2 / 大文字のCHATGPTが正式名称）

その特徴としては……

以上のとおり。こちらは日本国内でもリリース済み（車載ChatGPTとしては国内初！）で、2024年3月22日以降に販売される新車に標準で装備されています。

プジョー

同じくステランティス傘下でフランスの自動車メーカー「プジョー」もChatGPTを導入。（※3）こちらは車載インフォテインメントシステムの「PEUGEOT I-COCKPIT」にChatGPT機能を統合しています。

フォルクスワーゲン

ドイツの名門自動車メーカー「フォルクスワーゲン」は、車載の音声アシスタント「IDA」にChatGPTを導入しています。（※4、5）

ChatGPTが使えるようになったフォルクスワーゲン「IDA」の特徴は……

以上のとおりになります。

シュコダ・オート

フォルクスワーゲン・グループ傘下・チェコの「シュコダ・オート」も、Cerence Chat Pro×ChatGPTの車載インフォテインメントシステムをリリース中です。（※6）このシュコダ・オートは日本未進出ですが、フォルクスワーゲン・グループは他に「ポルシェ」や「ランボルギーニ」といった名だたるブランドも抱えています。今後はそちらでもChatGPTが導入される……かもしれません。

起亜自動車（Kia）

日本未進出・韓国No.2のカーブランド「起亜自動車 / Kia」もChatGPTベースの音声アシスタントをリリース予定です。（※7）

起亜自動車は、他社比でChatGPTの車載化に力を入れていて……

このように、音声アシスタント＋αの機能を実現しようとしています。

なお、自動車業界全般での生成AIのポテンシャルについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

これからの自動車gは「ChatGPT搭載」が当たり前に

当記事では「ChatGPTの車載化」について解説しました。ChatGPTを統合した車載インフォテインメントシステムにできることは……

• 音声での高度なカーナビ操作
• ドライブ中のエンターテイメント
• 観光ガイド
• 買い出し帰りのレシピ考案
• 出先でのメール確認・生成
• ToDoリスト・旅行計画の生成
• その他車載機能との連携

以上のとおりでしたね。

当記事でご紹介したChatGPT導入済みの自動車メーカーは全て国外ブランドでしたが、今後は国産車でも導入が進んでいくと考えられます。これからの自動車では、ChatGPT搭載が当たり前になる……かもしれませんよ！